東海労働金庫ディスクロージャー2023 CSR編
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●2023年度のリスクアペタイト安心してご利用いただくために金融機関の経営は、従来、事業・収益管理に対し、リスク管理はリスクをどれだけ抑制できるかの観点から独立した管理態勢とされてきました。しかしながら、金庫の事業活動には様々なリスクが存在し、リスクを取得した結果が収益に結実します。そこで、最近は事業活動・収益・リスクを一体で管理するリスクアペタイト・フレームワーク(RAF)が金融機関経営に求められるようになりました。東海ろうきんでも、2020年度から貸出金にRAFの概念を取り入れ、適用範囲を拡充しているところです。2023年3月には「RAF運用方針」を制定し、その下で事業・収益・リスクを一体で管理することを規定しました。事業活動に内在するリスクを予め認識し、どのくらいのリスクを取れるのか、その結果収益はどれくらいが見込めるのかを検討してリスクアペタイト・ステートメントにとりまとめ、それと整合性ある事業計画を策定し、期中のモニタリングにより計画達成をめざしています。リスクアペタイト・フレームワーク(RAF)東海ろうきんは、財務収益計画を達成するために、収益の源泉となるリスクは、リスクキャパシティの範囲内で進んで受入れ、損失の要因にしかなりえないリスクは可能な限り排除することを、このステートメントの中で明確に示し、リスクアペタイト・フレームワークの取組を組織全体で共有してリスクカルチャー(各種取組におけるリスクの認識と評価の実施)の定着を図り、働く人たちを支える協同組織の福祉金融機関として、「経営の健全性確保」、「収益の安定的確保」をめざします。当金庫は、トップリスクを十分認識したうえで2023年度の事業活動を行います。年度収益確保のために重要と認識した以下の項目に対し、実態に応じてリスクアペタイト(RA)を設定しコントロールします。なお、RAについては金庫の経営状況や市場環境等により必要に応じて見直します。収益源である住宅ローンは、信用リスクを適切にテイクして、収益確保を実現します。金融情勢は不透明ですが、金利リスクを適切にテイクし、有価証券利息配当金の安定確保を実現します。トップリスクと認識する金融引締めによる金利上昇は、短期(預金)で調達し長期(融資)で運用を行う金庫のビジネスモデルにおいて収益に与える影響は大きく、与信信用リスクとともに大きなリスクの一つです。影響を注視し、分析を継続的に行い、RA設定を展望して預貸金利リスク管理高度化に努めます。●リスクアペタイト・フレームワークの枠組の中で金庫が経営上、特に重大なリスクとして認識するトップリスク景気悪化による与信費用の増加、 金融引締め、 サイバー攻撃、 急激な気候変動に伴う物理リスク・移行リスク。- 26 -2023年度リスクアペタイト・ステートメント(趣旨概要)●目的および方針(1)与信信用リスク(2)有価証券市場リスク(3)預貸金利リスク収 益事業活動(⇒資本)三位一体の経営管理リスク管理RAF および リスク管理態勢RAFによる経営管理態勢

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